公開日
2015/11/11
更新日
読了時間の目安
5分で読めます
ざっくりまとめると
ピルを飲み忘れても慌てずに。簡単には妊娠しません。
48時間未満の飲み忘れなら、忘れた分を適切なタイミングで飲めばOK。
とはいえ、飲み忘れ対処法はあくまで非常事態!必ず医師に相談しましょう。

「ヤバイ!ピル飲むの忘れてた!」

ピルユーザーなら誰もが一度は経験する「ピルの飲み忘れ」。ここでは、飲み忘れたときの対処法、飲み忘れが妊娠につながる理由や危険性を紹介します!

なお、このページの飲み忘れ対処法が使える低用量ピルは、オーソ(M-21, 777-21)、シンフェーズ、ルナベル(LD, ULD)、トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ、マーベロン、ファボワール、ヤーズなど、21錠タイプか28錠タイプの低用量ピルです。

【関連】通販で買えるピル一覧
【関連】Q&Aでわかるピルの飲み方

あわてないで!飲み忘れても簡単には妊娠しません!

ピルは、毎日同じ時間に1錠を飲みますよね。この「同じ時間」とは、決めた時刻の前後1~2時間の範囲を指します。

あなたがピルを毎朝8時に飲んでいるなら、6時から10時までの間に飲めばセーフ!これくらいのズレなら、飲み忘れたとはなりません。

もしそれ以上の時間があいてしまって、ピルを飲み忘れたからといっても、決してあわてないで大丈夫。

ピルを飲み忘れたことによって、血中ホルモンの量が低下すると言っても、1錠飲み忘れたくらいで即妊娠してしまうことは滅多にありません。

といっても、飲み忘れをちょこちょこ繰り返したり、2日以上連続で飲み忘れたりするのはよろしくないです。

ピルの飲み忘れが妊娠につながるワケ

低用量ピルには、エストロゲンとプロゲストーゲンの二種類のホルモンが含まれています。この2つのホルモンの量は、からだへの余計な負担を減らすために24時間でぴったりの量だけのホルモンが入っており、排卵が起こらないギリギリのところに設定されています。

なので、前日に飲んだ時間を過ぎると、血中のホルモン量は徐々に低下していきます。血中のホルモン量が減少すると、脳下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンが分泌され、子宮のなかは排卵が起きやすい状態になります。

ピルを飲み忘れたときの対処法

本題に入る前に注意してもらいたいのは、これから説明する飲み忘れ対処法は、あくまでも非常事態への対処法ということです。また、飲んでいるピルの種類やブランドによって、対処法も異なる場合があります。

なので、飲み忘れたときの対処法で最も大切なのは、医師に診てもらい詳しい対処法を聞くこと。飲み忘れの期間に性行為があった場合、妊娠検査をすることを忘れないで下さい。

よくある飲み忘れ6パターン+番外編

それでは、トリキュラーやマーベロンといった、実薬21錠と偽薬7錠のピルによる28日間サイクルの服用方法を例にとり、飲み忘れた時間を6つのパターンにわけて解説していきます。

飲み忘れの一般的な対処法を知ることで、まずは気分を落ち着けましょう。

【パターン1】半日(12時間)以内の飲み忘れ

毎日20時にピルを飲んでいて、半日(12時間)以内に飲み忘れに気づいたときの対処法

飲み忘れに気づいた時点で、飲むはずだった1錠分のピルを飲みましょう。次の服用時刻になったら、普段通りに次の1錠を飲みます。これで元通りです。

この場合、気づいた時刻によっては1日にピルを2錠服用することになります。それでも問題ないので、その後は普段通りの時刻に次の1錠を飲む、と覚えておきましょう。

【パターン2】1日(24時間)以内の飲み忘れ

毎日20時にピルを飲んでいて、1日(24時間)以内に飲み忘れに気づいたときの対処法

半日飲み忘れた時と対応は同じです。飲み忘れに気づいたら、すぐに飲み忘れた1錠分のピルを飲みます。次の服用時刻になったらいつもどおり1錠飲みます。

半日以上飲み忘れると、まれに出血をすることがあります。それでも、次のピルは時間通りに飲むことを忘れないで下さい。

ピルを飲み忘れても24時間以内であれば、避妊効果は引き続き発揮されています。性行為自体を控えたり、コンドームなど別の避妊手段の併用したりする必要はありません。

【パターン3】ちょうど1日(24時間)の飲み忘れ

毎日20時にピルを飲んでいて、次の服用時間に飲み忘れに気づいたときの対処法

24時間以内の飲み忘れの場合、気がついたらすぐに飲み忘れた1錠を服用すれば大丈夫でした。ただ、24時間以上が経過した場合は、対処法が少し変わってきます。

ピルを飲む時間になって、昨日の分の飲み忘れに気づいた場合、つまり、ちょうど1日の飲み忘れの場合は、飲み忘れた分の1錠と予定通りに飲む分の1錠、合計2錠をいっしょに飲みます。

ここまでは1日以内の飲み忘れと同じです。変わってくるのはこの後の対応です。

服用サイクルの1日目~7日目の場合

飲み忘れの起きた日がピルの服用サイクルの1日目~7日目だった場合、次の7日間は性行為自体を控えるか、コンドームなど他の避妊法を併用してください。

服用サイクルの15日目~21日目の場合

飲み忘れの起きた日が15日目~21日目だった場合、休薬期間を置かずに、次のシートの服用を開始します。

知っておくだけでひと安心!ピルの7日間ルールとは?

ピルを7日間飲み続けると、卵巣は休眠状態になります。ピルを飲み終えてから7日間経つと、卵巣が休眠から目覚めます。つまり、ピルを7日間飲み続けていれば、飲み忘れ or 飲まなくても 7日間は避妊効果が保たれます。これが休薬期間でも避妊効果が持続する原理です。

ただし、8日目(次の新しいシートの1錠目)を飲み忘れると、すぐに卵巣の目覚めに繋がるので注意が必要です。

【パターン4】1日(24時間)以上の飲み忘れ

毎日20時にピルを飲んでいて、1日(24時間)以上経ってから飲み忘れに気づいたときの対処法

予定時刻から1日以上、つまり24時間以上48時間未満が経過した場合、飲み忘れた最後の1錠分をすぐに飲みます。その後は予定通りに飲む分の1錠を飲みます。1日に2錠、服用の予定時刻に気づいた場合は1度に2錠をいっしょに飲んでしまいましょう。

1日以上の飲み忘れの場合、起きた日によって、休薬期間の取り方が異なるので注意が必要です。

服用サイクルの14日目以前の場合

飲み忘れの起きた日がピルの服用サイクルの14日目以前だった場合、そのまま残りのシートを普段通り飲みきってから、7日間の休薬期間を設けます。

服用サイクルの15日目以降の場合

飲み忘れの起きた日が15日目以降だった場合は、そのまま残りのシートを飲みきった後、休薬期間を設けずに、次のシートの服用を開始します。

【パターン5】2日(48時間)以上の飲み忘れ

ピルを2日以上、つまり、2錠飲み忘れた場合の対処法は、服用を継続する方法と服用をリセットする方法の2種類があります。

【対処法1】服用を継続する方法

服用を継続する方法は、以下の3つのポイントに気をつけます。

  1. 飲み忘れた錠数のうち最後の1錠(直近の1錠)をすぐに飲む
  2. 残りの錠剤は次の決められた時刻に飲む
  3. 7錠以上を連続して服用するまでコンドームを使用するか、性行為自体を避ける

このあとの説明を分かりやすくするために、服用を継続するので「キープ法」と呼ぶこととします。

キープ法は、日本産婦人科学会の女性ヘルスケア委員会が作成した「ピルのガイドライン案」のなかに明記されている対処法です。

2錠以上の服用忘れに気がついた場合には,飲み忘れた錠剤のうち直近のものをなるべく早く服用し,残りの錠剤を予定通り服用すると共に,7錠以上連続して服用するまでコンドームを使用するか,性交渉を避ける.

当サイトが強調したい点は、平成27年と新しい資料で、低用量ピルの飲み忘れ指導は、キープ法を支持しているということです。

また、日本産婦人科学会が平成22年作成した別の資料に、「婦人科疾患の診断・治療・管理」というものがあります。この資料の避妊法の項目でも、記載されている飲み忘れの対処法は、キープ法です。

実薬を1~2錠飲み忘れた場合は,できる限りすみやかに1錠の実薬を服用し,その後1日に1錠服用し続ける.実薬を3錠以上飲み忘れた場合,できる限りすみやかに1錠の実薬を服用し,その後1日に1錠服用し続ける.続く7日間実薬を7錠服用するまでの間,コンドームを併用するか性交を控える.

キープ法での緊急避難の必要性

キープ法では、さらに飲み忘れがピルの一周期サイクルの何日目かによって、緊急避妊の必要性を検討します。

  • 2錠以上の飲み忘れが起きた日が、ピルの服用サイクルの1日目~7日目だった場合は、(性行為をおこなっていれば)緊急避妊の検討する。
  • 飲み忘れが起きた日が、8日目~14日目だった場合、直前の7日間は正しいスケジュールでピルを服用していれば、緊急避妊は必要なし。
  • 15日目~21日目だった場合、現在のシートを飲み終えたら、休薬期間を置かずに次のシートを始める。

【対処法2】服用をリセットする方法

服用をリセットする方法は、トリキュラー錠21/28について、バイエル薬品株式会社が発行している患者向け資料のなかに明記されている対処法です。

2日以上連続してのみ忘れた場合は服用を中止し、次の月経を待って新しいシートで再び服用を開始してください。なお、この場合は妊娠する可能性が高くなるので、その周期は他の避妊法を使用してください。

こちらを「リセット法」と呼ぶこととします。

リセット法は、一旦服用を中止することで、消退出血(月経のような出血)を起こします。不正出血を続けながらピルを服用するキープ法と比べて、一旦リセットしたうえで新しいシートから飲み直すリセット法の方が、分かりやすく、いろいろとわずらわしくない対処法といえます。

ただし、製薬会社やクリニック、書籍などで推奨する傾向が強く「古い対処法」にも思えます。

避妊の効果を優先するならキープ法、分かりやすいのはリセット法

ピルの服薬指導を行う産婦人科学会と、ピルの製造販売を手掛ける製薬会社とで、紹介している飲み忘れの対処法が異なるのです。どちらの方法を選択すればいいのか、ピルユーザーとしては非常に困ってしまうところです。

ここまでの説明をまとめると、以下のようになります。

避妊の効果を優先するならキープ法

なるべく避妊の効果を保ちたい、避妊のリスクを下げたい、コンドームの使用や性行為を避けることがむずかしい、といった場合に向いています。

海外では主流の考え方で、国内でも新しい資料で取り扱われており、これから主流となっていく飲み忘れの対処法です。

分かりやすいのはリセット法

飲み忘れたら一旦服用を中止。次の月経を待ち、新しいシートで服用を再開します。

新しいピルのシートが手元にある、次の月経まで性行為を避けられる、ピルの服用をスパっと止められる、といった場合に向いています。

製薬会社やクリニックが指導する、現在、国内で主流になっている対処法です。

どちらの対処法を取るかは、妊娠のリスクを減らすことを優先する、生理周期のサイクルを優先するなど、あなたが一番メリットに感じる方法を優先するといいでしょう。

「キープ法」「リセット法」という名前は、当サイト独自の呼び方です。クリニックで訪ねてもお医者さんには通じませんので気をつけてくださいね。

【パターン6】新しいシート(1錠目)の飲み忘れ

新しいシートの1錠目を飲み忘れた場合は、休薬期間を8日以上に延長したことになります。この場合は、ピルの服用を中止して次の月経を待ちましょう。

次の月経がきたら、最初にピルを服用した時と同じように、1日目から新しいシートの1錠目を飲みはじめましょう。

妊娠の確率が最も高い休薬期間9日間

パターン6で次の月経を待つ期間は、言い換えるなら休薬期間が9日間以上に延びている状態。この場合、これまでのピルの服用に避妊効果はゼロ、なくなっていると考えていいでしょう。

この期間にコンドームなどを使用せずに性行為を行った場合は、妊娠する可能性が非常に高くなります。休薬期間明けの飲み忘れは、妊娠の危険性を最も高める行為です。

まずはかかりつけの医師に相談する、性行為から72時間以内であれば緊急避妊薬(アフターピル)を服用するなどの対応が必要です。

ピルの服用を中止している間に性行為を行うときには、必ずコンドームなどを使用して避妊することが大切です。

【番外編】ピルを戻してしまったとき

ピルを決まった時間に服用してから、何時間経って吐いてしまったのかで対処法が変わってきます。

服用から消化までの目安は、ズバリ2時間です。

服用した時刻から2時間以上経っていれば、ピルの成分は十分に消化されています。そのまま次の服用時刻を待ちましょう。

もし服用した時刻から2時間以内であれば、吐き気がおさまるのを待ってから追加で1錠飲みましょう。この時に追加で飲む錠剤は、吐き出してしまった錠剤と同じホルモン量のピルにしてください。

次の服用時刻になったら、普段通りに決められた1錠を飲みましょう。また激しい下痢を起こしてしまった場合も、上記の吐いてしまった場合と同じ方法で対処できます。

【関連】ピルの副作用・吐き気の原因と対処法

ズボラでも大丈夫!?究極の飲み忘れ対処法

ここまでよくある飲み忘れ6パターン+番外編を解説してきました。

それでも自分がどれに当てはまるのか分からない、自分がどうしたらいいのかよく分からない…そんなあなたは、とにかく3つの約束事だけを覚えておいてください!

  1. 早めに医師に相談する!
  2. それまでは、実薬(成分入りの錠剤)を1日1錠飲み続ける!
  3. 性行為を行うときは必ずコンドームをつけさせる!

あなたが飲んでいるピルの種類、飲み忘れの時期、飲み忘れの対処法は適切だったか、万が一妊娠していないか、これらを医師に相談できるまでの間は、3つの約束事を守るようにしてくださいね!( ` ・ ω ・´ )o

参考文献・参考サイト

ピルの飲み忘れ対処法・これで解決!焦らないで大丈夫は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。