ピルの疑問を解決するQ&A

「ピルってなに?どんなもの?」といったピル初心者の方から、「ピルを飲み忘れたらどうしたら良いの?」といったすでにピルを服用している方まで、ピルに関する様々な疑問をテーマ別に掲載しています。
回答は短くまとめられています。さらに詳しい内容を知りたい場合は、リンク先の関連ページを参照してください。ピルに関するさまざまな疑問をスッキリ解決しましょう。

ピルの基本情報について

ピルってなに?どんなもの?

ピルはエストロゲンとプロゲストーゲンが含まれたホルモン剤です。28日間を一周期として、そのうち21日間から24日間、毎日服用する医薬品です。

ピルを飲む目的は?メリットは?

ピルの目的は、第一に望まない妊娠を防ぐことです。ピルは避妊効果が高く、服用が簡単でセックスに影響を与えません。また生理が楽になる、婦人科のふたつのガン(子宮頸がん、子宮体がん)の発生頻度が下がるなど、避妊以外のメリットもたくさんあります。

ピルで不妊になるの?やめたら妊娠できるの?

もちろん妊娠は可能です。ピルの服用をやめれば3カ月から4カ月ほどで自然な月経周期に戻ります。ピルの服用歴の有無が、妊娠後の異常児の出産に影響を及ぼすこともありません。
ピルの服用をやめると、卵巣はすぐに排卵に向けた準備をはじめます。ほとんどの女性は、ピルの服用終了後、三周期ほどで2相性の基礎体温に戻ります。また1981年には、世界保健機構(WHO)の研究班が、妊娠前のピル服用は胎児に何の影響も及ぼさない、という見解を発表しました。

ピルの服用条件について

ピルを飲んではいけない人は?ピルを飲んではいけない病気は?

日本産科婦人科学会が改訂版として作成しているガイドラインのなかで、ピルを服用してはいけないとされている人は以下のとおりです。
乳癌患者、異常性器出血のある患者(性器がんの疑いがある患者)、血栓性静脈炎・肺塞栓症・脳血管障害・冠動脈疾患または既往歴のある患者、ヘビースモーカー(35歳以上で1日15本以上の喫煙者)、脳卒中・偏頭痛(前兆のある偏頭痛)、肺高血圧合併・心房細動・亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある患者、血管疾患のある糖尿病患者、血栓症素因のある患者、肝硬変や肝腫瘍のある患者、高血圧のある患者、妊娠中の女性、分娩後6カ月未満の授乳婦、脂質代謝異常のある患者、骨成長が終了していない可能性がある思春期前の女性。
国内のガイドラインでは禁忌とされているものでも、世界保健機構(WHO)のガイドラインには記載がないものもあります。該当する既往歴のある人は、かかりつけの医師に相談した上で服用を検討しましょう。

現在授乳中です。授乳婦にオススメのピルはある?

現在日本国内では、授乳中に使えるピルはありません。 産後6カ月未満の授乳婦は服用禁忌に該当します。
低用量ピルは母乳の分泌に影響します。また母乳の量や質が低下したり、移行率は低いものの、母乳中にもピルの成分が交じることがあります。授乳をはじめる時期や授乳を終える時期を医師に相談しましょう。

気をつけてピルを飲まなければいけない人、注意が必要な病気は?

日本産科婦人科学会が改訂版として作成しているガイドラインのなかで、ピルを慎重に服用する必要があるとされている人は以下のとおりです。
40歳以上の女性、乳がんの既往歴があって発症後5年以上再発のない患者、乳がんの家族歴または乳房に結節のある患者、喫煙者、BMI30以上の肥満患者、血栓症の家族歴を持つ女性・表在性血栓性静脈炎の女性、前兆のない片頭痛の患者、合併症のない心臓弁膜症の患者、軽度の高血圧のある患者、耐糖能の低下している患者、ポルフィリン症、肝障害・肝腫瘤、心疾患・腎疾患またはその既往歴のある患者、てんかん患者、テタニーのある患者、子宮頸部上皮内腫瘍・子宮頸癌、脂質代謝異常のある患者、炎症性腸疾患の患者、治療の必要がある子宮筋腫の患者。
子宮筋腫など国内のガイドラインでは慎重投与とされているものでも、世界保健機構(WHO)のガイドラインには記載がないものもあります。該当する既往歴のある人は、かかりつけの医師に相談した上で服用を検討しましょう。

ピルの避妊効果について

ピルを飲んでいるのに妊娠することはあるの?避妊の確率は?

0%とは言い切れませんが、正しく服用した場合の避妊の成功率、確率は99%以上です。この99%という確率は、100人の女性が1年間ピルの服用を続けた場合に、1人が妊娠する計算です。このデータにはピルの飲み忘れや、相互作用などによる効果の減少も含まれています。

ピルを飲みはじめたら、どれくらいで避妊効果が出るの?

服用開始直後から避妊効果があります。ただし最初の7錠を服用するまでは、コンドームを併用するとさらに安心です。

休薬期間中にセックスをしても大丈夫?

正しい服用スケジュールで飲んでいれば問題ありません。正しい服用スケジュールとは、一周期分の最後まで飲み忘れや嘔吐などがなく、次の一周期分を休薬期間明けにきちんと開始した場合です。次の一周期分を服用したかどうかで、避妊の確率が左右されます。

ピルの副作用について

低用量ピルって危険性はあるの?

すべての医薬品と同じで、ピルにもリスクはあります。しかし、メディアによる血栓症の報道などをみても、危険性が過度に誇張されている状態です。例えば、何かの間違いでピルを大量に飲んでしまっても、重篤な症状は発生しません。また緊急治療を受けないと死に至るようなこともありません。薬剤の高い安全性はピルの長所だといえます。

どんな副作用に注意したらいいの?医師に相談した方がいい症状は?

低用量ピルの服用を開始したときに見られるマイナートラブルの多くは、服用をはじめてから1週間ほどであらわれます。しかしほとんどは2~3カ月ほどおさまるため、まずは様子を見てみるといいでしょう。4カ月以上副作用が続く場合は、低用量ピルの種類を変えることを視野に入れましょう。まれに起きるピルの服用を中止しなければならない症状には、片足のふくらはぎが痛む、胸の片側に強い痛みがある、呼吸困難などがあります。このような場合はすぐに医師に相談しましょう。

ピルで体重は増えるの?

ほとんど影響ありません。生理痛などの体調が改善されたこと、妊娠に対する不安が解消されたことなどから、ストレスが減ったかわりに食欲が増え、体重が増加することもあります。
まれに水分が増えて体がむくんだり、脂肪がつくことで体重が増加することがあります。しかし体内環境がホルモン状態に慣れる2~3カ月の間に解消されることがほとんどです。

ピルの入手・購入について

どうやったらピルを購入できるの?入手方法は?

基本的には医師の処方が必要です。病院で直接購入するか、処方せんを持って調剤薬局に行き、そこでピルを購入することになります。低用量ピルには、保険が使えるピルと保険が使えないピルがあります。
はじめて低用量ピルの処方を受ける場合は飲み方、飲み忘れの対処方法、マイナートラブル(よくある副作用)などについて、医師から説明を受けるといいでしょう。
低用量ピルやアフターピルを購入するには、病院で処方してもらう以外にも個人輸入を利用するという方法があります。低用量ピルの個人輸入を代行してくれる通販サイトからのみ、低用量ピルやアフターピルの通販が可能です。

ピルは健康保険が適用されるの?

低用量ピルは製薬会社やブランドなどによって様々な種類がありますが、保険が使えるピルと保険が使えないピルがあります。
健康保険が適用されるのは、月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として処方される、ルナベルLD、ルナベルULD、ヤーズの3種類です。これ以外の避妊を目的として用いる低用量ピルは、すべて保険適応外の自費診療になります。保険適応外の低用量ピルにはオーソ、マーベロン、ファボワール、シンフェーズ、アンジュ、トリキュラー、ラベルフィーユなどがあります。

ピルの値段はいくらくらいなの?値段はどこでもいっしょなの?

国内で健康保険が適応されるルナベル・ヤーズなどの低用量ピルは、3割負担として2700円ほどの値段で処方が受けられます。ピルを購入するというより月経困難症を治療するという目的で、薬代に加えて診察料や処方料が含まれます。
保険適応外の低用量ピルの値段は、独自に値段が付けられているため、病院によって異なります。処方数が多い第2世代の低用量ピル・トリキュラーは、一周期分1シートが2000円から3000円くらい(東京都内の病院)です。自費診療とはいえ、病院によっては診察料や服薬指導料、検査料として薬代以外の費用がかかります。
低用量ピルを個人輸入を利用する場合は、費用は薬代だけに限られます。前途のトリキュラーなら、一周期分1シートが1700円ほどの安い値段で購入できます。

ピルの飲み方について

ピルを1錠飲み忘れたら、すぐに妊娠しちゃうの?

低用量ピルを1錠飲み忘れた程度では、妊娠の心配はほとんどありません。ただし何度も飲み忘れていると血中濃度が安定しないため、避妊の効果が落ちたり不正出血の原因となります。

ピルを飲み忘れたらどうしたら良いの?

低用量ピルを飲み忘れた場合、12時間以上空いたらすぐに飲み忘れた分を飲みます。その後はいつものように飲み続けます。1日に2錠飲むことになるかもしれませんが問題ありません。
2錠以上続けて飲み忘れた場合は、忘れた最後の1錠分をすぐに飲みます。その後はいつものように飲み続けます。この後7日間は必ずコンドームなど、他の避妊法を併用してください。2日(48時間)以上の飲み忘れについては、飲み忘れが一周期(28日間)のいつ発生したかで対応が変わってきます。かかりつけの医師に相談するなどして、緊急避妊薬の服用も視野に入れましょう。

ピルは毎日ぴったり同じ時間に飲まなくちゃいけないの?

低用量ピルはホルモン量を最低量にしてあるため、決まった時刻に服用するのがルールです。とは言え、同じ時間といっても、きっちり24時間ごとに飲まなければいけない、というわけではありません。朝でも夜でも、2時間から3時間ほどの誤差であれば問題ありません。12時間以上遅れると効果が落ちるので、飲み忘れの対応をしましょう。

ピルの種類について

低用量ピルにはどんな種類があるの?違いはなに?

低用量ピルは、有効成分の配分量・配合比率や黄体ホルモンの種類、服用法によってわけられます。
成分の配合比による区分は「相性」と言い、1相性、2相性、3相性にわけられます。1相性は同じ量(1段階)のホルモンを21日間服用する方法、2相性は2段階に変化、3相性は3段階に変化するホルモンを服用する方法です。
ホルモンの配合比率を2段階、3段階に変化させたのは、可能な限りホルモン量を減少させることで、不正出血の発生頻度を抑えることができるからです。

どの低用量ピルでも効果は同じなの?

基本的に避妊に対する効果は同じです。ただし商品によってホルモンの種類が異なるため、どのピルが最も良いとは言えません。
あなたが期待する効果や条件に合う範囲内で、最もホルモン用量の低いものがおすすめです。不正出血の有無、吐き気や眠気などの副作用の有無、ニキビなどのへの影響を考えて決まるといいでしょう。実際に使ってみてから個人の個人の好みに合わせて変更できます。

段階型ピルってどんなピルなの?

段階型ピルとは、エストロゲンとプロゲストーゲンの配合比率が、錠剤によって段階的に変化するものです。2相性(2段階)、3相性(3段階)のものがあります。
段階型ピルには、一周期中に飲む総ホルモン量が少ないため、不正出血が抑えられるというメリットがあります。

アフターピル・緊急避妊ピルについて

緊急避妊ってなに?

緊急避妊とは、避妊に失敗した場合でも、妊娠を防ぐことができる方法です。
通常の避妊を行わずにコンドームを付けずに(ゴムなし)セックスをした、低用量ピルを飲み忘れたのに中で出してしまった(膣内射精)、セックスの最中にコンドームが破けてしまったといった場合でも、万が一の望まない妊娠を避けることができます。
緊急避妊の最も一般的な方法が、緊急避妊ピル(モーニングアフターピル、アフターピル)を服用することです。緊急避妊ピル以外にも、子宮内避妊具などが使用されることもあります。
緊急避妊には、レボノルゲストレルという緊急避妊専用のピルを使う「LNG法」と、中用量ピルを服用する「ヤッペ法」のふたつがあります。

アフターピルは市販されているの?

緊急避妊に用いられるアフターピル(緊急避妊薬)は市販されていません。
アフターピルの利用には医師の処方が必要です。婦人科やレディースクリニックで、医師から直接手渡されます。多くのクリニックでは2種類の緊急避妊法(ヤッペ法、LNG法)を用意しているので、説明を受けた上で、予算と相談して決定しましょう。
アフターピルを購入するには、病院で処方してもらう以外にも個人輸入を利用するという方法があります。アフターピルの個人輸入を代行してくれる通販サイトからのみ購入が可能です。

アフターピルの副作用は?

アフターピルを服用すると、一時的に気持ちが悪くなる、吐いてしまう、お腹が痛くなる、頭痛がするなどの副作用が出ることがあります。ただし副作用の出やすさがヤッペ法、LNG法で異なります。
ヤッペ法(232例)とLNG法(194例)による副作用の比較では、「副作用あった」と答えたのはヤッペ法で59.9%、LNG法で6.7%と大きな開きがありました。
LNG法の方が気持ちが悪くなったり吐いてしまうような副作用が少なく、より安全に緊急避妊が行える方法だと言えます。