公開日
2015/11/02
更新日
読了時間の目安
5分で読めます
ざっくりまとめると
不正出血が起こるタイミングは、個人によって異なります。出血の期間も同じで、2週間から3週間ほど出血が続くこともあれば、1か月以上続くこともあります。
不正出血には、ピルの休薬期間中に起こる「消退出血」と、休薬期間以外に起こる「破綻出血」の2種類があります。
3相性ピルである、トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユなどは、不正出血の起こりにくいピルなのでオススメです。

ピルを飲みはじめた頃や、飲み忘れたときによく起こる副作用が不正出血です。

これまで経験したことがない量やタイミングでの出血に、とにかく不安!という人も多いのではないでしょうか?

今回は、ピルユーザーによくある不正出血の種類、不正出血があった場合の対処法などを詳しく解説します(*´ω`*)

【関連】消退出血とは | 消退出血について詳しく解説

ピル服用中の月経は「消退出血」

ピル服用中の月経は「消退出血」

ピルの服用中、休薬期間に入ると、月経のような出血がみられます。この出血のことを、消退出血(しょうたいしゅっけつ)といいます。

まずは、ピルを飲むことによって出血量が変化するメカニズムを簡単に説明します。

生理もピルの出血も原理は同じ

ピルを飲むことで、ピルに含まれるエストロゲンとプロゲストーゲンの作用により、子宮内膜が作られます。

この子宮内膜は、通常の月経のもととなる物質と同じなので、子宮内膜が厚いほど出血量が多く、逆に薄いほど出血量が少なくなります。

子宮内膜を維持できるプロゲストーゲンの量が不足すると、ピルを服用していても出血(消退出血・破綻出血)が起きてしまいます

消退出血は少量で黒っぽい

ピルのホルモン作用によってできる子宮内膜は、通常できる内膜よりも薄いため、基本的には出血量は少なくなります

消退出血の色は月経血よりも黒っぽく変化することが多いです。また月経痛も軽減されます。

出血には個人差もあるため、消退出血と不正出血を血液の状態だけで見分けることは困難です。服用期間中の不正出血は、2シート目、3シート目と飲み続けると、ほとんどの場合で徐々に少なくなっていきます。この期間を過ぎても続くようなら、お医者さんに相談するようにしましょう。

不正出血は長引くと2~3週間以上かかることも

不正出血は長引くと2~3週間以上かかることも

ピルを飲みはじめるときに、お医者さんから「副作用の影響でまれに出血が起こる」と聞いていても、実際ピルを飲んで予定外の出血があるとやはり心配になってしまいますよね。

ピルを飲んで不正出血が起こること自体は、珍しいことではありません。出血の期間が長い場合は、2週間から3週間に及ぶこともあり、人によっては1カ月以上続くこともあるのです。

しかし、不正出血の他にむくみや腹痛などの気になる副作用がない場合は、ある程度出血が長く続いても心配する必要はありません。「1シート目を飲んでいる最中にずっと出血が見られた」という人でも、2シート目に入ると自然と治まってくることがほとんどです。

ピルを飲んで不正出血が起こってもそんなに心配せず、しばらくは様子を見ることが大切だよ。

不正出血が起こるタイミングは?

不正出血が起こるまでの期間は、個人差によるところが大きいです。

飲み始めてすぐの場合は、1週間で出血が始まることもあります。また、1シート目を飲んでいる時は出血が起こらなかったものの、2シート目に入ってから出血があったという女性もいます。

ポイント

不正出血の起こるタイミングは、服用している本人の体調やピルとの相性も影響します。おおよそこのくらいの時期に起こるといったことは一概には言えないのが現状です。

不正出血は2種類ある

不正出血には、消退出血破綻出血(はたんしゅっけつ)の2種類があります。消退出血と破綻出血では、起こるタイミングや、症状の特徴が異なります。順番に見ていきましょう。

【不正出血の種類1】消退出血(月経・生理)

ホルモンの供給が止まる休薬期間中に起こる子宮出血です。ピルのパッケージの終わりごとに起こります。普段の月経血よりも量が少なく、色も黒っぽくなることが多く、月経痛もほとんどないことが特徴的な出血です。

【不正出血の種類2】破綻出血(点状出血・やや多量の出血)

休薬期間以外に起こる不正出血全般を指します。ナプキンが必要ないくらい少量の点状出血から、やや多量の出血まで個人差があります。破綻出血する理由は、ピルの飲み忘れや嘔吐、下痢などさまざまです。

破綻出血の原因は、ピルの子宮内膜に達するホルモン(プロゲストーゲン)量が減ることが影響します。仕組み自体は、休薬期間中に起きる消退出血と同じです。

他にも、破綻出血の理由として、ピル以外に服用している薬との飲み合わせで、ホルモンの血中レベルが低下することが挙げられます。なかでもセックスの後に出血が起きるような場合は要注意。良性のポリープか、ごくごくまれにガンの可能性も。いずれの場合もお医者さんに相談することが大切です。

意外とよくある?点状出血

ピルのよくある副作用、マイナートラブルとして起こりやすい不正出血が点状出血(てんじょうしゅっけつ)です。

点状出血は、飲みはじめの1パッケージ目(1周期目)に、特によく起こります。1周期目に出血を経験するピルユーザーは、全体の10%から30%もいるとされています。

3パッケージ目(3周期目)になると、発生率は10%以下に半減します。

点状出血をはじめとする破綻出血は、正しい服用スケジュールを続けていれば、3周期目以降はほとんど起こらないよ。

不正出血はピルを飲み忘れたときにも起きる

副作用としての不正出血だけでなく、ピルの飲み忘れが原因で出血が起きることもあります

ピルを飲み忘れると、一時的に体内のホルモンバランスに乱れが生じます。体に必要な女性ホルモンの量が減少してしまうため、生理に近い出血、つまり消退出血(不正出血)が引き起こされるのです。

しかし、飲み忘れが原因で出血が起きたからといっても焦ることはありません。本来ピルを飲むはずの予定時刻からどれほど時間が経っているかによって、それぞれ異なった対処法があります

「ピルを飲み忘れたら避妊効果がなくなってしまうのでは?」と心配する女性も多いでしょう。「ピルを飲み忘れて出血が起こってしまったけど、次のピルは予定時刻通りに飲んでよいのか?」「避妊効果は失われていないのか?」など、ピルの飲み忘れによる疑問について、詳しくはピルの飲み忘れ対処法の記事にて紹介しています。

不正出血に伴う諸症状

不正出血に伴う諸症状

ピルの副作用として不正出血が起こると同時に、以下の副作用があらわれる場合もあります。

不正出血とともにあらわれる他の副作用

  • 腹痛(特に下腹部痛)
  • 腰痛
  • 頭痛
  • めまい
  • 胸の張り
  • 吐き気
  • 微熱

しかし、これらの症状も、不正出血と同じく時間が経てば徐々に治まっていきます。過剰な心配は無用です。ただし、あまりにも出血の量が多かったり、出血が長期間続いたりする場合には、お医者さんに相談してみましょう。

不正出血には思わぬ病気が隠れている可能性も?

ピルの副作用による諸症状は、時間の経過とともに治まるものならば、あまり心配する必要のないものだとお話ししました。

しかし、ピルの副作用のひとつだと思っていた不正出血が、実は何らかの病気の初期症状であることもまれにあります。

不正出血から考えられる病気として、子宮頸がん子宮筋腫などが挙げられます。さらに、性交後に不正出血があった場合、それはピルの副作用ではなく子宮がん卵巣がんの初期症状である可能性も考えられます。

不正出血とともに何か気になる症状がある場合は、できるだけ早くお医者さんに相談してね。

不正出血が起きにくいピル

ピルを飲んで不正出血が起こるのには、ピルに含まれているエストロゲンとプロゲストーゲンというホルモンが関係しています。エストロゲンは子宮内膜を厚くする働きを持ち、プロゲストーゲンはそんな子宮内膜を維持する働きを持ちます

不正出血は、この2つのホルモンのバランスが崩れることによって引き起こされます。特に低用量ピルは、高用量ピルや中用量ピルに比べ、子宮内膜を維持するプロゲストーゲンの量が少ないため、不正出血が起こりやすいのです。

低用量ピルの種類のひとつに、1シートの中でエストロゲンなどのホルモン量が三段階に分けられている「3相性ピル」があります。この3相性ピルは、本来の自然なホルモンバランスに近くなるよう、ホルモンの量が調節されています。そのため、不正出血が起こりにくいピルとなっています。

ポイント

3相性ピルに代表されるピルは、トリキュラーアンジュラベルフィーユなどがあります。もしこれら以外のピルを飲んでいて、不正出血が気になった場合には、お医者さんに相談してピルの種類を変えてもらうとよいでしょう。

これで安心!不正出血の対応マニュアル

不正出血の対応マニュアルで不正出血の原因と対策方法を学びましょう

ピル服用時の出血(破綻出血)対策として、Q&A形式の簡易マニュアルを作成しました。Q1からの質問に答えることで、あなたの不正出血の原因と対策方法が簡単にわかります。

【Q1】出産や流産後のピル服用について

出産や流産を経験したばかりで、いつもの月経時よりも出血量が多かったり、痛みが強かったりしませんか?

はい / いいえ

【Q2】ピルの飲み忘れや嘔吐について

ピルの服用を忘れたり、服用が遅れたりしていませんか?あるいは、胃の調子が悪く、戻してしまっていませんか?

はい / いいえ

【Q3】相互作用によるホルモン量の減少について

ピルの効果にマイナスの影響をおよぼすような、新しい薬を服用していませんか?

はい / いいえ

【Q4】よくある副作用・マイナートラブルについて

現在服用しているピルは、飲み始めてから1~2パッケージ目ですか?また、気にならない程度の少量の出血ですか?

はい / いいえ

【A1】出産や流産後にみられる不正出血の可能性があります

病院で人工妊娠中絶を受けたり、自然流産の処置を受けたりした場合に起こる不正出血の可能性があります。

月経のタイミング以外で、月経の時と同じくらいの量の出血があって痛みを伴うようなら、子宮内容物が残っている場合があります。急いで医師の診断を受けてください。

【A2】飲み忘れや嘔吐による不正出血の可能性があります

飲み忘れや嘔吐の対策に従って、そのままピルの服用を続けてください。避妊効果が落ちている可能性があるため、コンドーム等の避妊対策も必要です。

飲み忘れの対策

ピルの飲み忘れが12時間以内(1錠飲み忘れ)なら、飲み忘れたピルをすぐに飲みましょう。次のピルは当初の時間通りに飲むようにしてください。

12時間以上(1錠飲み忘れ)経ってしまっている場合は、利用しているピルの種類によって対応が異なります。次のピルをどう服用するか、医師に相談しましょう。

嘔吐の対策

ピルを飲んでから吐いてしまうまで、3時間以上が経過している場合は、すでに体内にホルモンが吸収されています。そのまま決められたとおりに次の1錠を飲んでください。

3時間以内に吐いてしまった場合は、もう一度服用が必要です。利用しているピルの種類によって対応が異なるため、次のピルをどう服用するか、医師に相談しましょう。

【A3】ホルモン量の減少による不正出血の可能性があります

ピルの作用を弱める薬や食品を摂取した可能性があります。一時的な使用であれば、併用した周期はコンドームも使いましょう。医師と相談した上で、ピルの服用を続けてください。

ピルの作用を弱めてしまう薬や成分

  • テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリンなど)
  • ペニシリン系抗生物質(アンピシリンなど)
  • 抗結核薬(リファンピシン)
  • 抗真菌薬(グリセオフルビン、塩酸テルビナフィン)
  • 抗けいれん薬(フェノバルビタールなどのバルビツール酸系製剤、フェニトインナトリウムなどのヒダントイン系製剤、カルバマゼピン)
  • セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)
  • チェストベリー(セイヨウニンジンボク)

【A4】服用初期によくある不正出血の可能性があります

そのまま現在服用しているピルを飲み続けてください。不正出血が2シート目、3シート目で収まるようなら、現在服用しているものと同じピルで問題ありません。

しかし出血が定期的に続くようなら、医師に相談して他のピルへの乗り換えも検討しましょう。

【Aすべていいえ】ピルが合わなくて起こる不正出血の可能性があります

ピル服用期間の出血が続いていて気になる、あるいは問題なく何カ月か過ぎてから出血した場合は、医師に相談して診察を受けましょう。

出血の原因になるような婦人科的な問題がない場合は、以下のリストを参考に、医師にピルの種類の変更を申し出てみてください。

ピルが合わないときの対処法

  • 1相性ピルを服用している場合は、2相性や3相性などの段階型ピルに変更する
  • プロゲストーゲンの量が多いピルに変更する
  • 服用中のピルとは違う種類のプロゲストーゲンを含むピル(トリキュラーヤーズなど)に変更する

不正出血の不安は解消しましたか?

不正出血は、ピルを飲んでいてまれにあらわれる副作用です。たいていの場合は心配いりませんが、ときに婦人科系の病気の初期症状であることも。不正出血の他に気になる症状がある場合は、早めに病院へ行きましょう。

不正出血の対応マニュアルについては、詳しい対処方法はお医者さんに相談することを第一に考え、あくまで参考として活用してください。

また、飲み忘れや嘔吐してしまった場合の対応については、別の記事でも詳しく解説していきます╰(*´︶`*)╯