受精卵

受精卵(じゅせいらん)

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ピルの説明で使われる用語「受精卵」について解説します。

受精卵とはどうやってできるの?

受精し着床した受精卵

受精卵とは精子と卵子が融合して生まれた細胞のことです。受精卵の大きさはたった1㎜ほどしかありません。

受精卵ができるまでを、性交渉の段階から追ってみましょう。性交渉によって射精された数億個の精子が、女性の体内に侵入します。精子は子宮にある卵子の元へ向かいます。数億個の精子のうち、たったひとつの精子が卵子と融合します。数億分の一の確率で、受精卵ができるのです。

また一度の射精だけで、必ず受精卵ができる、というわけではありません。うまく受精できない場合もあります。例えば、卵子を覆う透明帯が固くて精子が入れない、精子に透明帯を破る力がない、といった場合です。仮に精子が透明帯のなかに入れても、卵子が未熟なら受精は成功しません。成熟した精子と卵子が奇跡的に出会い、初めて受精卵になるのです。

受精卵が着床するまでの流れ

精子と卵子が出会えば妊娠が成立すると思われがちですが、受精卵になったとしても、まだ妊娠は確定しません。受精卵が子宮内に着床し、初めて妊娠することができるのです。受精卵が着床するまでの流れを見ていきましょう。

受精後1~2日目

受精卵が分裂し、2つの細胞になります。2つに分裂した細胞を「初期胚」と呼びます。初期胚は均等な大きさに分裂を繰り返し、卵管を通って子宮にゆっくり向かっていきます。

受精後3~4日目

細胞分裂が4回以上行われます。この時の細胞を「桑実胚(そうじつはい)」と呼びます。

受精後5~6日目

細胞の外側を覆う薄い膜(外細胞塊)と、外細胞塊の内部に細胞が重なり合った部分(内細胞塊)が形成されます。外細胞塊と内細胞塊が形成された状態を「胚盤胞」と呼びます。胚盤胞は赤ちゃんの胎盤になる部分です。

受精後6~7日目

胚盤胞はさらに細胞分裂を続けながら子宮へ向かいます。胚盤胞は子宮内で2日ほど浮遊し、着床のタイミングを見計らいます。一方身体の方は子宮内膜がふんわりと分厚くなり着床しやすいように準備をします。準備が整うと、胚盤胞は子宮内膜の中へともぐりこみ、着床が成立するのです。

受精卵が着床した際の症状

受精卵が着床した後は体にどのような症状がでるのでしょうか。症状は生理前の症状とよく似ています。生理なのか着床した症状なのかを見分けるのはとても困難です。

妊娠の判断は、生理予定日や生理の1週間前に妊娠検査薬で確認したほうが確実でしょう。

受精卵が着床した際の症状
頭痛がする
微熱がでる
イライラする
目まい
鼻がつまる
のどが痛い
胸が痛い/張る
肩がこる
胃が痛い
動悸がする
腹痛や腰痛になる
股関節が痛い
足の付け根や太ももが痛い
ニキビができたり肌が荒れる
背中が張る

受精卵が着床する確率は?

受精卵が着床する確率はどれくらいでしょうか。受精卵が着床する確率は、一般的に20~30%程度です。しかし、着床率は年齢によってどんどん減少していきます。25歳から45歳までの着床率を見ていきましょう。

年齢 着床率
25歳 25%~30%
30歳 25%~30%
35歳 18%
40歳 5%
45歳 1%

37歳頃からは妊孕力(妊娠する力)がいっきに低下します。45歳ではわずか1%にまで減少します。

受精卵が着床した際の出血は生理とどう違うの?

着床した際の出血は生理時とよく似ているため勘違いしてしまいますよね。着床出血と生理を見分けるポイントはなんでしょうか?

出血の色や量

着床出血の色は薄いピンクや茶色など人によって異なります。中には鮮明な赤色をしていることもあり、生理と見分けが難しい場合もあります。着床出血は生理と比べて少量で、1~3日で治まりますが、稀に着床出血でも生理と変わらない量の人がいます。

からだの痛み

生理になると腹痛や頭痛のような症状があらわれますが、着床出血にはほとんど痛みがありません。中には痛みを伴う人はいますが、生理時より痛みが弱いことが多いでしょう。

出血の時期

着床出血は生理予定日の1週間前から生理予定日に来ることが一般的です。そのため、生理が早く来たと勘違いし、妊娠後に着床出血だと気づく場合があります。

受精してから着床するまでの期間は?

受精してから着床するまでの期間は一般的に約7日間です。早い人は5日後、遅い人でも10日後に着床します。また、着床してから着床が完了するまでは5日間かかります。

受精卵の着床をピルで防ぐメカニズム

ピルを飲むとなぜ受精卵の着床を防ぐことができるのでしょうか。通常ならば、受精をすると着床しやすいよう、エストロゲンの作用で子宮内膜が約10㎜まで厚くなります。

また、プロゲステロンの作用で、受精卵が着床しやすい環境に整えます。着床しやすい状態をどのように防ぐのか、低用量ピル、アフターピルそれぞれのメカニズムを見てみましょう。

低用量ピルのメカニズム

  1. 低用量ピルを飲む
  2. 体内中の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の濃度が通常より高くなる
  3. 脳は女性ホルモンが十分に分泌されていると錯覚する
  4. 女性ホルモンの分泌が抑えられる
  5. 子宮内膜が着床しにくい状態になる

アフターピル(緊急避妊用薬)のメカニズム

アフターピルのメカニズムを服用した生理周期時期によって見てみましょう。

エストロゲンの分泌が低い時期(生理中)にアフターピルを服用した場合
  1. アフターピルを飲む
  2. プロゲステロンとエストロゲンが急激に低下する
  3. ずっと正しくやさしく扱ってね
  4. 子宮内膜がはがれ落ちて、着床しにくい状況になる
エストロゲンが上昇期(卵胞期)にアフターピルを服用した場合
  1. アフターピルを飲む
  2. プロゲステロンが作用して、排卵を引き起こそうとする
  3. 排卵は卵胞がはじけることによって成立するエストロゲンの上昇期は排卵の準備が整っていないため、卵胞は破裂しない
  4. 排卵に失敗する
  5. 排卵に失敗すると受精できないため、避妊が成功する
エストロゲンの分泌がピーク時(排卵期)にアフターピルを服用

エストロゲンの分泌がピークになる時期、卵胞は排卵の準備が整っているため、アフターピルの影響によって、子宮内膜の成熟が早まります。しかし、子宮内膜の成熟を不規則に早めたため、着床しにくい状態になります。

エストロゲンが減少期(排卵後)にアフターピルを服用
  1. アフターピルを飲む
  2. 体内のプロゲステロンの濃度が高まる
  3. プロゲステロンの作用により、ピノポード(子宮内膜の表面の構造)がどんどん作られる
  4. ピノポードが形成されると、本来は着床しやすくなる
  5. ピノポードが現れる時期は通常3~4日間だけ
  6. 受精卵が子宮内膜にたどりつくには約7日間かかる
  7. 受精卵が子宮内膜にたどりつく頃には着床しにくい状態になる

アフターピルは性交してから72時間(3日間)以内に服用しなければ効果がありません。2時間以内の服用で80%、24時間以内の服用で95%避妊の効果が得られます。性交渉後、早めの対処を心がけましょう。

受精卵(受精卵とピル)まとめ

受精卵とは卵子と精子が融合して生まれた細胞のことを指します。受精卵が着床する確率は20%~30%と高くはありません。さらに、歳をとるにつれて確率はどんどん下がっていくため、若いうちから定期検診を受け着床しやすい体作りが大切です。

着床後は、頭痛やイライラなど生理時によく似た症状が現れます。着床出血は生理の約1週間前から現れるため、早く生理が来たと勘違いしてしまいがちです。生理と着床出血の見分け方は出血の量や色などで確認できますが、妊娠検査薬で判断するのが確実でしょう。

受精卵の着床を望まない場合、ピルで着床を防ぐことができます。低用量ピルは定期的に服用することで着床を防げますが、普段ピルを飲んでおらず、緊急に防ぎたい場合はアフターピルを使用しましょう。ピルを正しく使用し、きちんと避妊することが大切です。