子宮筋腫

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)

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ピルの適応症のひとつ「子宮筋腫」について解説します。

子宮筋腫とはどんな病気なの?

子宮筋腫は、その名のとおり子宮に腫瘍ができる女性特有の病気のひとつです。そのほとんどが良性で、命にかかわることは多くはありません。しかし治療せずにいると、不妊や流産の原因となったり、日常生活においても、月経痛が酷くなったり、月経量が増えたりと、女性を苦しめる様々な症状が現れます。

できた場所によって子宮筋腫の症状は異なる

子宮筋腫は複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。大きさやできた場所によって症状が異なります。子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)に分けられています。

成人女性の4人に1人が持つ子宮筋腫

子宮筋腫は、月経がある人なら4人に1人の割合で発症していると言われているほど身近であり、婦人科系腫瘍の中では最も発症率が高い病気です。

子宮筋腫の原因は、女性ホルモンであるエストロゲンが深く関わっていると考えられています。そのため、女性ホルモンが活発に分泌される30代~40代に多く見られ、50代以降になると閉経に伴い腫瘍も小さくなっていきます。

子宮筋腫の治療方法は、薬を使ってホルモンを抑える薬物療法や、腫瘍自体を切り取る摘出手術などが一般的ですが、ピルを服用する方法も存在します。

ピルを使った治療法について、その効果や副作用などを詳しく見ていきましょう。

子宮筋腫の治療におけるピルの効果は?

子宮筋腫の症状の緩和にピルが処方される

ピルは、子宮筋腫による月経痛と月経量を減らす目的で使われます。ピルは一般的に避妊薬として知られていますが、月経痛を和らげたり月経量を減らしたりする効果もあります。

ピルには女性ホルモンが含まれているため、服用することによって血中ホルモン濃度が上がります。すると脳がピルに含まれた女性ホルモンを感知し、それを分泌していると錯覚するため、子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、その結果、月経痛と月経量が減少するのです。

しかしピルには、子宮筋腫の原因であるエストロゲンが含まれているので、用法・用量を必ず守らなければなりません。医薬品である以上、ピルには副作用があります。ほてり、頭痛、動悸、倦怠感など、症状はさほど深刻ではありませんが、副作用が起こった場合は症状に合わせて量を減らすなどの対処をしましょう。また、ごくまれにですが、血栓症を発症することもあるので注意が必要になります。

ピルによる子宮筋腫の治療に保険はきくの?

子宮筋腫の治療に用いるピルは、種類によって保険が適用されるものとそうでないものがあります。

基本的に、中用量ピルは保険が適用されますが、低用量ピルは保険適用外となります。保険適用外となる低用量ピルの金額は、ひと月2,000~3,000円程度です。

また、中用量ピルは元来の価格が高価であるため、保険が適用されるとはいえ、金額は数百円から3,000円程度と幅が広いです。

子宮筋腫の治療に用いられるピルの種類は?

基本的に使用するのは、女性ホルモン含有量の少ない低用量ピルです。

子宮筋腫の治療を目的としてピルを服用する際、低用量ピルは保険適用外となると先述しましたが、例外もあります。低用量ピルでも「ルナベル」、「ヤーズ」という2種類に関しては保険が適用されます。

子宮筋腫をピルで治療する際は、この2つのいずれかを用いる方法が主流となっています。

子宮筋腫の治療におけるピルの副作用は?

先述したように、ほてり、頭痛、動悸、倦怠感といった更年期障害とよく似た症状が見られる場合もあります。

これらの症状は健康を損なうほどのものではないため、必要に応じて医師と相談し、ピルの種類を変えるなどして服用を続けるとよいでしょう。

また、「ピルを服用すると太る」といった副作用も囁かれていますが、低用量ピルは1錠に含まれるホルモン量が少ないため、ピルを飲んだからといって肥満に繋がることはほぼありません。

ピルによる治療で子宮筋腫が大きくなるってホント?

子宮筋腫の治療に用いるピルには、筋腫を小さくする効果を持つプロゲステロン、筋腫を大きくしてしまう効果のあるエストロゲンが入っています。

そのため効果は人により異なりますが、エストロゲンによって筋腫が肥大したとしても身体に異変を来すほどではないため、過敏になることはないでしょう。

子宮筋腫のまとめ

子宮筋腫は、4人に1人が発症する身近な病気であり、症状としては不妊や月経痛、月経量の増加などが見られます。ピルを服用することによって、月経痛や月経量を抑えることができますが、更年期障害の症状に似た副作用が起こることもあります。

ピルには、低用量ピルと中用量ピルの2種類がありますが、低用量ピルの方が副作用が少ないため、主に低用量ピルが治療に用いられています。中用量ピルはもちろん低用量ピルより女性ホルモン含有量が多いため、低用量ピルで効果の出なかった場合のみ服用されます。

低用量ピルを服用することにより、子宮筋腫を小さくするどころか大きくなってしまうという話もありますが、そのような副作用はあまり多く見られず、ピルにより大きくなったといっても案ずるほどではありません。

ピルを継続的に服用することで、肝機能の低下や心臓、血管に悪影響を及ぼすこともありますので、少しでも不調を感じたら医師に相談することが大切です。

参考文献・参考サイト

ピルの用語集「子宮筋腫」は、以下のサイトや資料を参考に作成しました。