不妊

不妊(ふにん)

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ピルの説明で使われる用語「不妊」についてくわしく解説します。

不妊とは

不妊の悩みを医師に相談する夫婦

不妊(不妊症)とは、妊娠を希望して避妊をせずに1年間性交を行っているのに、それでもなお妊娠しない状態のことを指します。

通常、健康な男女が避妊をせず性交を行えば、半年ないし1年以内には約7~9割、そして2年目になればほぼ10割の女性が妊娠するといわれています。

日本は現在、不妊大国と呼ばれており、不妊であると判断される夫婦が6組に1組はいて、その割合は年々増加しています。

不妊の原因

女性にばかり原因があると思われがちな不妊ですが、パートナーである男性の方に原因がある場合もあります。

WHOの調査では、女性に原因があるケースは41%、男性に原因のあるケースが24%、男女両方に原因のあるケースが同じく24%で、その他原因不明のケースが11%となっています。

女性側が不妊の原因となっている場合は、卵巣の機能が低下して起こりうる排卵障害や、受精卵の着床に問題が見られる子宮着床障害、卵管の異常による卵管障害など、様々な問題が考えられます。

男性側が原因となっている場合は、性交時によるプレッシャーで勃起不全(ED)に陥ったり、挿入はできても膣内射精ができなかったり、また精液に精子が含まれない「無精子症」である可能性が挙げられます。

このように、不妊症の原因は実に様々です。

定期的に性交を行っているのに妊娠しないという悩みを抱えている方たちは、なるべく早く病院での診察を受け、治療を受けるようにしてください。

治療方法と治療費用

採卵から胚移植までの体外受精の流れ

不妊治療を行う際、はじめに試される手法は、最も自然妊娠に近い形での妊娠を促す「一般不妊治療」です。

一般不妊治療では、女性の卵子が排卵されるタイミングを計って性交を行うタイミング法が用いられます。

卵巣の機能が低下しており、自然に排卵が起こらないことがあります。その場合は、排卵誘発剤を服用し、人為的に排卵を起こしてタイミング法を実践します。

この一般不妊治療で妊娠できず、かつ男性側に不妊の原因があると考えられる場合、次に行われる治療法は人工授精です。

人工授精とは、男性の精液を採取し、菌を取り除くために洗浄を行った後、更に濃縮してから女性の子宮内に注入する手法です。

医師が行うのは精子の洗浄・濃縮と子宮への注入だけとなりますので、あとは自然妊娠と同じように着床を待ちます。

それでもまだ妊娠が成立しない場合は、体外受精という手法を取ります。

体外受精とは、卵子を子宮内から取り出し、体外で受精させた後、ある程度の期間を設けて培養してから再び子宮内へ卵子を戻す手法です。

基本的に不妊治療はこのように、タイミング法、人工授精、体外受精と順に段階を踏んで行われます。

不妊治療にかかる費用は、それぞれの手法によって大きく異なります。

タイミング法なら大体2千円から2万円前後、保険の適用されない人工授精は2万円から3万円程、体外受精は最も高価で、20万円から60万円程と幅があります。

ピルを服用すると不妊になるの?

高い避妊効果を持つ経口避妊薬として知られているピル。

避妊や生理不順の改善等を目的として服用されるピルですが、ピルによって排卵が止まると、将来的に不妊になってしまうのではと心配する人は少なくありません。

結論から言うと、ピルを服用して不妊になることはありません。

確かに、ピルを服用すると排卵が止まり、服用中は妊娠しない体になります。

しかし、それはあくまでピル服用中に限った効果です。

実際、ピルを数年服用し続けた女性でも、妊娠を希望した際にピルの服用を中止すると、それから遅くとも3ヶ月以内にはまた排卵が起こるようになります。

ピルは1950年代に開発され、今日に至るまで多くの女性が服用してきました。これまでピルを使用したことが原因で不妊になったという女性はいないとされています。

むしろ、ピルを服用することによって妊娠する確率が上がるとさえ言われています。

これは、ピルを服用することでホルモンバランスが整い、不妊の原因となる病気の予防にもなるからです。

そのため、現在では不妊の治療にピルが用いられることもある程ですので、不妊を心配してピルの服用をためらう必要は一切ありません。

ピルで不妊が予防できる?

先に述べた通り、ピルは不妊治療にも用いられますが、最近では同時に、不妊の予防にも活用されています。

不妊を予防するために服用するピルには、不妊の原因となる病気、子宮筋腫や子宮内膜症を予防する働きが期待されます。

また、ピル服用中は排卵が抑制されるため、卵巣を休ませることができます。

これによりピル服用期間中に卵巣の機能が改善されると、服用を中止した後も引き続き安定した生理周期が続き、スムーズな妊娠への手助けとなります。

他にもピルを服用していると、月経困難症の改善、PMSの症状緩和、卵巣がんや子宮体がんといった女性特有の病気の予防等、嬉しいメリットがたくさんあります。

ピルは、生理を迎えている女性なら誰もが服用できる薬です。不妊を予防するためにも早いうちからピルの服用を勧める医師も少なくありません。

不妊とピルのまとめ

不妊(不妊症)とは、健康な男女が避妊をせず性交を行っていながら、1年間経過しても妊娠の成立が見られない状態を指します。

不妊の原因は実に様々であり、多くの場合は女性側に原因がありますが、時に男性の側の原因、または男女両方に不妊の原因がある場合もあります。

女性側に不妊の原因がある場合は、排卵障害、子宮着床障害、卵管障害等が可能性として挙げられ、男性側に原因がある場合は勃起不全(ED)や無精子症等が考えられます。

現在では不妊治療として、タイミング法や人工授精、体外受精といった手法が実践されています。

それぞれの治療方法によって治療費用が大きく異なるため、病院へ行く前にあらかじめホームページ等で大体の費用を確認しておきましょう。

また、「ピルを飲んでいると不妊になる」といった説がありますが、そのようなことは決してありません。

ピルは妊娠を希望したタイミングで服用を中止すると、その後遅くとも3ヶ月以内にはまた生理が訪れ、妊娠が可能な体に戻ります。

更にピルには不妊を予防する働きがあり、ピルの作用によって不妊の原因となる病気を予防してくれる効果があります。

近年、ピルは不妊治療や不妊の予防に積極的に活用されています。早いうちからピルの服用を始め、将来のために体内のホルモンバランスを整えておくのも良いでしょう。