ノルエチステロン

ノルエチステロン(のるえちすてろん)

公開日
2016/09/21
更新日
読了時間の目安
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ピルの説明で使われる用語「ノルエチステロン」について解説します。

ノルエチステロンは人工の黄体ホルモン

ノルエチステロンとは、女性ホルモンの一種で人工的に合成された黄体ホルモンです。

ノルエチステロンは、排卵後に卵巣から分泌され、妊娠した際に受精卵が着床しやすい子宮内膜を保ったり、着床後には妊娠を継続させたりする働きがあります。この黄体ホルモンと同じ作用を持つ薬のことをプロゲストーゲンと呼びます。ノルエチステロンは日本で発売されている3種類のプロゲストーゲンのうちの1つです。

ノルエチステロンは、単体では黄体ホルモン薬として使用されます。卵胞ホルモンとの組み合わせによって、経口避妊薬として使用されます。

ノルエチステロンは1960年代初期に開発されて以来、現在でも多くの女性に服用され続け、その確かな効果と安全性は高く評価されています。黄体ホルモンを摂取する目的で用いられ、服用が必要となるのは、生理不順や無月経などの症状が起きた時や、黄体ホルモンの不足からくる不妊症を治療したい時です。

ノルエチステロンの働き

黄体ホルモンは卵胞ホルモンとともに、女性の妊娠や生理に深いかかわりがあります。ストレスや疲労、栄養不足などといったことをきっかけに黄体ホルモンのバランスが崩れると、生理不順、PMS、無排卵月経、子宮内膜症、場合によっては不妊症も引き起こしてしまうこともあるのです。

ノルエチステロンは子宮内膜を維持させる働きがあるため、生理不順や無月経の際は一定期間服用した後、服用を中止することで人為的に出血を起こさせ、生理のリズムを取り戻したり生理日を調整したりすることができます。

この「子宮内膜を維持させる働き」は、子宮内膜を剥がれにくくすることで出血を抑えることもできるため、機能性出血の際にも活用できるのです。また、黄体の機能不全による不妊症を緩和したい際には、黄体期が10日以下と短い時や、黄体期に体温上昇が起こらない時に服用します。

ノルエチステロンを服用することで、子宮内膜が分泌内膜となり、受精卵が着床しやすい状態を作ります。

ノルエチステロンは低用量ピルの成分

ノルエチステロンは強い黄体ホルモン薬であると同時に、微弱ではありますが卵胞ホルモン作用と男性ホルモンであるアンドロゲン作用もあります。ノルエチステロンは低用量ピルにも使われており、最初に作られた黄体ホルモン薬ということで第一世代ピルに採用されています。

低用量ピルは、避妊効果や生理周期の安定化、生理日の調整、PMS改善の作用などを持ちますが、同時に副作用もあり、黄体ホルモン薬の影響でむくみなどが起こることもあります。

ノルエチステロンは、以降に開発された第二世代・第三世代の黄体ホルモン薬よりも、ニキビや男性化現象などの副作用を引き起こすアンドロゲン活性は低くなっています。そのため、低用量ピルによる副作用の症状である、ニキビや多毛化が起こる確率が低いという特徴があります。

また、ノルエチステロンは低用量ピルとして使用されている期間が一番長いプロゲストーゲンのため、安全性と効果が実証されており、新たな副作用の危険性がないことが大きな特徴です。

ノルエチステロンには特徴的な副作用はあるの?

ノルエチステロンを服用した際、副作用として、頭痛、吐き気・嘔吐、乳房の張り・痛みといった症状が挙げられます。

副作用の症状は、服用し始めてからおおよそ2~3ヵ月程度で自然と治まっていきますので、さほど心配する必要はありません。他にも、発疹、腹痛、めまいといった身体的な症状から、食欲不振、不眠、気分の落ち込みといった精神的な症状が現れることもあります。

こういった症状が継続的に見られる場合は、医師と相談の元、処方される薬について見直してみましょう。また、ごく稀にですがアナフィラキシー様症状(蕁麻疹、顔面や咽頭の腫れ、呼吸困難)が起こる場合もあるため、念のため初期症状には十分注意をしてください。

ノルエチステロンのまとめ

ノルエチステロンは、黄体ホルモン分泌量のバランスが崩れたことで起こる生理不順や無月経、機能性出血などいった様々な症状を軽減してくれる薬です。

月経にまつわる不調を緩和してくれる他にも、黄体ホルモンの不足から起こる不妊症の改善にもノルエチステロンは活用されています。その効果と安全性には多くの女性から高い信頼が寄せられており、広く効果が実証されていることから、新たな副作用の危険性が少ないとされている点も、ノルエチステロンの優れたポイントです。

しかしそんなノルエチステロンも、体内でホルモンバランスを整えるに伴い、副作用が現れることもあります。副作用の主な症状は、頭痛や吐き気、乳房の張りなどです。

副作用の症状は、大抵2~3か月ほどで身体が慣れるに従い徐々に治まっていきますので、過度に心配することはありません。他に、不眠や気分の落ち込み、息苦しさや手足のしびれといった症状が現れることもありますが、こういった症状が継続的に続くようでしたら、必要に応じて医師に相談してください。

ノルエチステロンを正しく服用することで、月経にまつわる不調や不妊症の症状を改善していきましょう。