プロスタグランジン

プロスタグランジン(ぷろすたぐらんじん)

公開日
読了時間の目安
2分30秒で読めます

ピルの説明で使われる用語「プロスタグランジン」についてくわしく解説します。

プロスタグランジンってなに?

プロスタグランジンとは、女性の体と深い関係のある脂肪酸の一種で、血圧の低下、子宮の収縮、炎症促進や胃粘膜保護など、体の様々な反応をコントロールしています。おもに子宮内膜から分泌されており、子宮を収縮させることで経血をスムーズに体外に排出させてくれる働きを持ちます。

同時にプロスタグランジンにより、痛みを感じやすくなり、さらに炎症を促進する働きもあるため、月経前は頭痛や腰痛、だるさといった痛みに悩まされる女性が多いのです。

プロスタグランジンは妊娠・出産に関わるホルモン

プロスタグランジンで陣痛を引き起こそうとする夫婦

プロスタグランジンには、出産時に分娩を促したり、陣痛を引き起こしたりする効果もあります。

男性の精液にも含まれるため、妊娠時には早産・切迫流産を防ぐためにコンドームの着用が推奨され、逆に出産時期になかなか陣痛が起きなかったり、分娩に時間がかかる時にはプロスタグランジンを含む薬が処方されることもあります。

このようにプロスタグランジンにはさまざまな利点と欠点があるため、服用する際際には副作用に気をつける必要があります。

妊娠や出産に用いられる「プロスタグランジン製剤」とは?

プロスタグランジン製剤には、大きく分けて「末梢閉塞性動脈疾患治療」のものと「産科的治療薬」の2種類があります。妊娠や出産に用いられるのは、主に「産科的治療薬」に分類されるプロスタグランジンE2とプロスタグランジンF2αです。

プロスタグランジンE2とF2αは、子宮収縮を促す効果があり、妊娠末期において陣痛誘発(陣痛促進)を起こし、出産の手助けをしてくれます。産科的治療薬のプロスタグランジン製剤は慎重に使用することが望まれ、分娩監視装置のもと、専門医が適宜妊婦と胎児の状態をチェックする必要があります。

正しく服用していれば副作用の心配をすることはまずありませんが、薬が過剰に効きすぎると、強い陣痛症状を起こすことがまれにあります。服用の上で気になる点があれば、ただちに医師に相談することが大切です。

痛み止めによるプロスタグランジンの副作用

月経時、生理痛が酷いとどうしても痛み止めを服用したくなるものです。そこで痛み止めを服用すればホルモンの分泌が抑えられるため、生理痛はだいぶ緩和されます。しかし、プロスタグランジンは他の生体の様々な反応にも関わっているホルモンでもあるため、副作用もまた大きくなります。

プロスタグランジンは、副交感神経が活発な時に多く分泌され、交感神経が活発な時には抑制されます。薬によって分泌が抑制されると、血圧は上昇し、脈や呼吸も速くなり、就寝時などには寝つきが悪くなってしまう可能性があります。また、交感神経が優位になることで血行が悪くなり、むくみや血栓の原因ともなります。

抗炎症作用のある薬を飲んでいる場合には、胃の粘膜を保護する作用まで低下してしまい、胃が荒れやすくなります。薬の服用時にはできるだけ胃薬を併用する必要があります。

ピルによってプロスタグランジンの分泌が減る仕組み

現在、経口避妊薬として日本でも服用する女性が増え始めている低用量ピルですが、避妊以外にも様々な効果を持ち、そのうちの一つに、月経困難症の治療薬としての働きが挙げられます。

月経困難症とは、月経時の腹痛、腰痛が通常より重く、学業や仕事に支障を来すほどの症状が現れる病気のことです。この病気のおもな原因は、月経時に子宮内膜で作られるプロスタグランジン(痛み物質)が過剰に多いことであると考えられています。

正常に排卵が起こり、黄体ホルモンの分泌がしっかりなされている子宮内膜ほど、特にプロスタグランジンは発生してしまいます。そこで、低用量ピルを服用します。ピルには一時的に排卵を止める効果があるため、服用すると自動的に痛み物質であるプロスタグランジンの生成が抑制されます。こうして月経時の腹痛が軽減されるとともに、プロスタグランジンによって引き起こされる月経時の頭痛や下痢といった症状も、ピルの働きによって緩和・抑制されます。

避妊薬として知られているピルですが、排卵をストップさせる効果は、このように病気の治療にも用いられるのです。

プロスタグランジンのまとめ

プロスタグランジンは女性に欠かせないホルモンの一種です。利点としては、月経をスムーズにしたり、出産時の陣痛や分娩を促したりする働きがあります。

出産の際に妊婦の手助けとなってくれるのがプロスタグランジン製剤です。プロスタグランジン製剤の中の産科的治療薬に分類されるプロスタグランジンE2とプロスタグランジンF2αは、子宮収縮を促し、妊娠末期に陣痛を誘発する働きを持ちます。出産時にプロスタグランジン製剤を服用し、少しでも体調に異変を感じたらすぐに医師に申し出ましょう。

出産を助けてくれるプロスタグランジンですが、逆に体にとって悪く働くこともあり、過剰分泌によって生理痛がひどくなったり、早産や流産の原因になったりもします。また、月経時の腹痛緩和のために生理痛薬を服用すると、それによりプロスタグランジンの分泌が抑制され、結果として血圧の上昇、脈拍の異常や呼吸過多といった副作用が起こる可能性もあります。

プロスタグランジンには様々な利点・欠点があるため、生理痛薬やプロスタグランジン製剤を服用する際は、副作用などに十分注意しましょう。